時刻は午前11時半
緑色の猫は 夜勤明けの私の左斜め後ろを
2メートルくらい離れて
尾行するように歩いています。
私は緑色の猫に「何か悪いことでもしたのでしょうか」と
尋ねたくなりました。
商店街の入り口にある交番が近づいてきたので
私はこのまま交番に飛び込んで
「助けてください。私は緑色の猫につけられています」と
訴えようかと考えましたが、逆に警察官に
「このオジサン 頭がおかしいんじゃないか。」と
思われるのではないかと思い
諦めて歩き続けることにしました。
交番を通り過ぎたところで 緑色の猫が話しかけてきました。
「あのー、家の鍵はお持ちですか」
「鍵ですか?」
私は左右のポケットに手を突っ込んで
何度も動かしましたが
鍵の感触はありませんでした。
「落としたんだ」
「どこに」
全く思いつかず
私は途方に暮れてしまいました。
「交番に届いているかもしれませんよ」緑色の猫がクールに話しかけてきました。
「とりあえず、行ってみます。」と私が答えると
緑色の猫は一礼して
私を追い越して歩いて行きました。
